人と物

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物が辿る経緯について考える。

これを見て実際に自分が制作することを考えると時間感覚が飛ばされてしまう。

ひとつのものが出来上がるまでそれが辿る経緯。

作られる国から土地、どういう時代背景でどんな人がどういう気持ちで作っていて、なぜこの生地でなぜこの色の配色にしてこの図柄だったのか。

もう少し考えてみるとこの生地を織るための糸を紡ぐ人がいて、糸を染色する人がいる。

そして糸となる原材料を育てる人がいる。

この生地を買って刺繍したのか、それとも自分で織ったのか。

この刺繍のデザインは流行っていたのか。

これを作った人はどれぐらいこの仕事をしていて、この人の何年目の作品なのか。

もう少し人にフォーカスするとこの人には家族は何人ぐらいいたのか。

どんな人生でどんな日常を送っていたのか。

裕福だったのか貧しかったのか。

そしてこれはこれまでどんな人から人の手に渡り、インドから日本にいる自分の手元にあるのか。

そう考えると物と人の関係性とは奇跡に近いのかもしれない。

これは色々な場合に当てはめることが出来る。

古いものに限らず、今着ている服や使っているスマートフォンひとつをとってもそうである。

物から始まる思考の旅。

こういったことを考えると今手元にある奇跡に感謝しか出てこない。

この見えにくくなってしまった物が辿る経緯。

そういったことを少しでも伝え、その物が辿り着くまでの旅路を一緒に想像し、語り合うことが出来たら嬉しいです。

そんなお店で在りたいと心から思います。

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