うつしき

うつしき

古い漁具の魅力

残暑厳しい今日この頃みなさんいかがお過ごしですか。

わたしは、この夏はたくさんの漁船にのせてもらう日々でした。

地域によって行われる漁の種類はちがうのですが

同じ漁法でもやり方がちがう、という場合もあって

数か所の離島で「タコつぼ漁」に乗ってからというもの

その面白さに途端にはまり込んでしまっています。

はまり込んでいるといえばもうひとつ。

古い漁具

網も、浮も、エサ入れも、壺も

なにもかも、人の手によって目的をもって作られたものが

経年の中で、目的外の存在へとなった姿に惹かれて仕方がないのです。

 

うつしきをお手伝いさせてもらっている中で

たまに、海の仕事についてお話すると

なんで海?なんで漁業?と

イメージと違って困惑やらがっかりやらさせてしまうことも少なくないようなのですが

海で、船で、浜で、たくさんの美しいものを見て

可能であれば拾ったりもらったりしてきたものをふと眺めたとき

言葉では表現しがたいつながりが

確かに私のなかにあったということを体感しています。

 

古い漁具や、海辺に辿り着くものたちには

時間を重ね土地を越えた、魅力がある。

これを、ロマン、と呼んできたのでしょうか。

うらがえせばそれを、ゴミと言うのでしょうか。

 

しかし魅力を感じるものには、その分岐点があって

その点を、自身がどこに見出すのか次第なのであると思ったりもします。

ロマン、だなんて

おじさんみたいだなぁ、と思いながら

おじさんって、悪くないなと思うのです。

 

今日もたのしい一日を〇

のせるみ