うつしき

うつしき

学びの場 第一回目 [ 村上 麻衣 ]

自然の流れに身をまかせ、その時々の直感でここに辿り着いた。

 

点と点が繋がって今の私がここにいる山と海に囲まれたこの場所は10年位かけて出会った場所。

 

結婚当時にお祝いでもらった写真がある。

 

引っ越しが決まってから棚の奥を片付けているとその忘れかけていた写真がでてきた。

 

見かえすと写っていた写真の場所は引っ越しのその場所の写真だった。

 

15年前にもらった写真に導きがあった事に気ずかず過ごした私達。

 

神様はちゃんとそこにいていいタイミングで「今だよ」って言ってくれている気がした。

 

この不思議な体験でもし運命が決められているならば、何も無理せず身を委ねておけば気持ちのよい方向へ連れていってくれるかなと私の中でひとつ吹っ切れた出来事。

 

それから相方はこの地で木を切り、石を割り、石積みをしながら住む場所を作り上げている。

 

私はその木を燃やしたり木を植えたりと倒されていく木をみながらその自然の偉大さに圧倒されつつ、この場所を生かすも殺すも人間の手によるものだと思いながら淡々と作業をしてきた。

 

今はこの地で食べる分のお米を作ったり蜂蜜をとったり、サーフィンを始めて海がとても近い存在になったりと、考えてみたら全て月の満ち欠けに関係する事にきずかされて宇宙の不思議さに想いを馳せて楽しんでいる。

長女が2歳になるとき、自分の目で園をみて決めたいと保育園を探し始める。

 

ふと見上げた木の上に元気な子どもが5人こちらに向かって手を振っていた。子ども達の目からはキラキラ輝く光がみえた。

 

『ここに決めた!』

 

教育がイコール勉強としか思っていなかった私は保育園や学校に勉強以外のそれぞれの教育方針があるのを知った。

 

それから子どもたちは自然の中に学びがある事を教えてくれた保育園へ通い、長男はホームスクーリングをしたり長女はフリースクールを自ら選択したりと、親の考えなんて飛び越えてどこまでも自由に生きている。

 

子どもの自由な精神に大人がどれだけついていけるか、愛と尊敬をもって接すれば子どもってのびのびと成長する事を保育園や学校、子ども達から教えてもらった。

 

広い選択肢の中、自由に選べて人生を愉しく生きる術を学んでくれたら嬉しい。

植物性で作るおやつを作り始めたのは、子どもが産まれてから風邪を引かせたくないと思う単純な理由で作り始めたのがきっかけ。

 

ある人から教えてもらった『ガトーショコラ』。

 

自分の学びたいという想いが実現した佳王理さんの「学びの場」でこのレシピを繋げていく。

 

ミクロでマクロなこのケーキが人づてに拡がって、毎日の暮らしが少しでも愉しくなりますように。

 

うつしきで子どもの綻びを縫ったであろう裁縫道具がテーブルに散らばっていた光景を目にし、そこに佳王理さんの全てが詰まっている気がして緊張の糸が緩む。

 

そんな人が創る場所が面白くないわけないなーと初めての「学びの場」に呼んでもらってありがたい。

 

「学びつづけたいっすよね」と店主 小野さんの何気ない言葉が私に響く。

 

この精神を忘れないように毎日を過ごそう。

 

『学びの場』は私にとっても学び多き2日間でした。

 

佳王理さん、小野さん、うつしきスタッフ、繋がる皆様。

 

どうもありがとうございました。

学びの場 第1回目〈植物性の材料で作るお菓子 〉
① 豆腐とココアパウダーで作るガトーショコラ
②アイスとチュイルをのせた季節のフルーツパフェ
③日曜日参加のお子さん クッキー パフェ
村上 麻衣
2002年 福岡の130年経つ家を改装し、家具の展示とお茶の場所 『村上レシピ』を始める。
2017年 海と山に囲まれた場所に引っ越し、山を開墾しながら住む場所を建て始める。
2020年『村上レシピ』開店準備をしながら、お菓子部門として『マヤボント』始動。
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