見上げれば梅の花、足元を囲むのは蕗の薹、土筆、オオイヌフグリ。
春分を祝うように庭が賑やかなこの頃。
うつしきでは「東洋幻景――記憶と変容の間」展を開催いたします。
すべてのものは、時間の層をその身に纏う。
人の手で編まれた籠、地中で結晶した鉱物、
誰かに使われ、静かに風化してゆく道具たち。
そこには、過去の営みと、今を見つめるまなざしが交差している。
本展は、「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」を現代に再構築する試みである。
アジア各地の古物や道具、現代作家の作品、鉱物や化石を同じ空間に並べ、
人が手を加えたものと、自然が生み出したものとの対話を生み出す。
編まれた線と、結晶の稜線。
人の手の温もりと、大地の鼓動。
それらが交わることで、静けさの中にひそむ力強さ、
欠落が生み出す新たな美が立ち上がる。
過去と現在、人工と自然、存在と余白——。
異なるものが響き合う、その「あわい」にこそ、
時間を超えて紡がれる記憶の姿がある。
この空間で、ものの奥にひそむ気配を感じ、語られぬ時間の残響に、心を澄ませてほしい。
「東洋幻景――記憶と変容の間」展
日程
3月28日(金)ー 4月28日(月)
時間 13:00〜17:00
会期中店休日 火・水
福岡県宮若市原田1693
0949-36-4092
先日、お店の前に高く聳え立つユーカリや庭の木々を整えてもらいました。
風と光が通る道が出来、清新な空気が流れています。
これから少しずつ変わっていく庭の移ろいを季節を通じて皆さまと一緒に愉しめたら嬉しく思います。
どうぞお待ちしております。