うつしき

うつしき

月を見ておもうこと

はいいろオオカミ+花屋西別府商店 展 ゛Journey story゛
昨日大盛況の中閉幕しました。
お越しいただいた皆さん、オンライン越しにご覧いただいた皆さん有難うございました。
最終日は今年も西別府さんのワークショップ。
回を重ねても、都度異なるテーマで毎年愉しみに参加してくれる方もいて、
遥々この日の為に駆けつけて下さるのがとても嬉しい。
明け方からの雨が、始まりの頃にはすっかり晴れて植物たちが瑞々しく光っていました。
そんな中散策しながらの植物選び。
今回は小野がインドで探してきた水晶も合わせる方も。
皆さん思い思いの形を描き束ね、豊かな作品が完成していました。
中には小学生の男の子も参加してくれて、生まれたての作品があまりに素敵で心震えました。
はいいろオオカミ佐藤さん、西別府さんがきらきらと輝く目で童心そのものに、
大好きなもの、見たい景色、密かに隠れた見逃しがちな植物、、
その時々の心動くことをまっすぐに作品に表わしているような様子と重なりました。

喫茶室で開催の表萌々花さんの写真展 ゛たむけ゛
はいいろオオカミの展とはまた異なる世界に誘われる彼女の写真。
入り口から鮮烈に飛び込む色と、写真をひとつひとつ追って浮かび上がってくること。
彼女の選び取った植物で彩られた西別府さんの装飾もまた、たむけのようでした。
萌々花さんの写真集はオンラインよりご覧いただけます。
大切に糸綴じ製本され頁をめくる肌からも伝ってくる美しい写真集です。

喫茶の催しは鹿児島で活動されている゛vedasultenfuss゛しほさんのお菓子と
゛粒゛りなさんのお茶の会。
賑やかに祝福されているような植物のケーキに金木犀のお茶。
当たり前に口に入れるとなくなるけれど、見えなくなるのが惜しくなりそうなキュートな喫茶。
今回足を運べなかった方はぜひ鹿児島のお店へ〇

 

展示会期中半ば、442年ぶりらしい皆既月食と天王星食がみられました。
様々な地でこの自然の営みに心傾けた人がいたのだろうなとニュースの賑わいに感慨深くなりました。
帰宅道中、めずらしい現象に外へ出て空を見上げる人がちらほら。
皆携帯片手に写真をとりながら仰ぐ様子に、
大切な誰かに見せよう!とか、記念に持っていたい。とか思っているのかなーと微笑ましく見ていました。
その様子を見ながら、ふと普段私自身、小さな携帯の画面越しにものごとを見て
実物を自分の目でしっかり見るということをしていたかなと。
今ではない時間にばかり気持ちが向かい、今をなおざりにしてしまっていることにどきりとしました。

うつしきは店内での写真撮影を控えてもらっています。
周りの方への配慮もありますが、何より今居るこの場所をフィルターなしのご自身の素のままで感じてもらいたい。
人の受け取る記憶装置は機械の正確さに及ばないかもしれませんが、
だからこそその人だけの感じ方、見え方を持ち帰っていただけるのではないかなあと改めて思いました。
レンズを向けたくなるくらい、心動いたものがここに在るということもまた嬉しいことです。
忘れたくない景色は美しく時を残す写真・映像担当小田の手によって後日ダイジェストとして公開予定です。
そちらをお愉しみに。
ますます秋深まる季節。
実り豊かな今を大切に、日々を重ねていこう。

小西紗生