うつしき

うつしき

有紗さんとの対話から

家族が居て、うつしきという場所がある。

 

いつもの風景が当たり前かのように過ぎ、もうすぐ師走を迎えます。
 

yasuhide ono の今年最後の展示は和歌山ens にて。

 

その展示へ向け、川井有紗さんとカメラマンの大西文香さんが一緒にうつしきに取材に来てくれた11月初旬。

 

作り手でもあり、店主でもある有紗さんとの愉しくて有意義だったインタビューの時間を振り返ります。

うつしきのことについて、今後のことについて。
 

そんな問いかけに対して、普段から思っていることは勿論、順風満帆だけではなかった道のりを思い出し、
ついつい熱く語り、涙目になってしまったわたし、、はっと有紗さんを見ると同じように目が潤んでいて、、
気づけば今まで誰かに話をしなかった事まで口にしていました。

 

真っ直ぐな人を前にすると嘘がつけない。

 

問いに対して、真正面から応えたいと思った時間でした。それは取材だけだったら違ったのかもしれません。

 

周年の有紗さんのライブで、そこに居たわたしたちは純粋な言葉と音を形に残し、一人でも多くの人に届けたいと思い、
今回、取材前にCDアルバムのレコーディングを行いました。

産声のような、繊細だけど強い響き。

 

誰よりも自身を熟知していて、何を喜び、悲み、美しいと思うのか。

 

微細な心の動きを感覚と言葉で表している。

 

この数日間一緒に過ごし、言葉を交わし、制作に向かう姿勢を見て、“川井有紗”というひとの深さを展示の時よりも更に感じ、興味津々になる。笑

 

“わたしはいつも純度が高いものを作っているつもりだ”そう言い切る凄み。

 

その言葉をいつも受け止められるうつしきで在り続けたい、そう思うと同時にそれは満ち足りたわたしで在り続けることでもあることに気づく。

 

そんな訳で、この数時間の対話から、もう一度自分の”今”と”この先”を想像する。

 

先を見たときに、巡る季節、うつしき、家族の存在が愛おしくてしょうがないものになった。

 

彼女の活動や言葉に救われている人が沢山居るのは皆んなが持っている大切な部分に向き合わせてくれるからなのかもしれません。

 

少なくともわたしはそうでした。

 

有紗さん、佳き時間をありがとうございました◯

CDアルバム”◯(えん)”の発売はens での展示期間中を予定しています。

 

装丁は山香デザイン室の小野友寛さん。その小野さんの展示でうつしきは今年最後の展示を締めくくります。

 

今週末11/27より。今年会えなかった皆さんにも、いつもの皆さんにも会って新年を迎えたいな。

 

どうぞお待ちしてます〜!

 
小野 佳王理