“おや、はっぱのうえにちっちゃなたまご おつきさまがそらからみていいました”
2歳の娘がノリノリで手振り身振りで口ずさむ
エリックカールの”はらぺこあおむし”
鮮やかな色でコラージュされた楽しい絵本の世界
その世界を生きるかのように
こどもたちは畑にでるとダンゴムシ、バッタ、蝶に夢中で畝など関係なく飛び回ります
ナス科の葉にはあらあら…沢山いらっしゃる!
胡麻みたいなちっちゃな卵はホオズキカメムシ
緑と紫とこの茶金色
絵本の世界も現実の世界もなんら変わらない色彩
ほんの一瞬でもこどもたちのように楽しむ
とは言っても、本心はちびたちのウキウキとは反面、
ちっちゃな集合体に極彩色な虫にもひやりとし、駆除に奮闘するこの季節
好奇心を見習いと思う日々であります
今年に入ってからのの艸・野草宇宙さんのところでおくなが屋の奥永さんが行っている自然菜園塾に参加させてもらっています
“今は忙しいから”という理由の元、
ここ4年近く、自分で耕すことなくただ見ていただけの庭の畑
このまま、野菜を育てることなく一生を終えるのだろうかと畑を見ていたら
“いや、生きる為にしなければいけないことなのではないか”
という意識に変わったのがきっかけでした
畑は何度もチャレンジしていましたが、固定種や在来種、自然農、有機農など
頭の中では一生懸命理想を描きますが、実際の畑は実がならなかったり、草や虫に揉まれ、
”畑をやってみたいな~”
という憧れだけでは仕事と子育てが忙しくなってくると後回しに
そして今頃の時期はもう手がつけられず…やる気がなくなり、無法地帯へ…
食べれても数個、手を入れず自然に出来たものだけ食べれたらいい
どうせ出来ないんだから最初からやらなくていい
そんな思考になっていた数年
気持ちを新たに毎日こつこつ10分程度、小さな面積ですが草取りから始まり畝をつくり苗を植えました
いつもなら草に追われ、断念する時期ですが
今年は、草も刈り、風通しのよい畑のよう(…に見える)
“気持ちいいなぁ!”と初めて田畑の気持ちになった気がします
ようやくピーマンが食べれそうですが、今まで育てた中で一番立派で元気そう
奥永さんが”畑を始めてからなんか前より元気になったんだよね”と何気なく仰っていましたが
その言葉の感覚が少しだけ分かったような気がします
実がなるかどうか、美味しくできるかどうか
自然になるものだけがこの土地にあってるとか
そういうことを言う時は大抵、庭のウッドデッキから畑をただ眺めているだけ
植えたそのものが今どういう状態か、虫に刺されて頬を掻きながらも草を掻き分けて触って見る
わたしがするのは微生物の力を信じ、野菜の持っている力を出せる環境を整えるだけ
毎日意識を向け続け会話をし、忙しくても今できる最善を尽くす
奮闘するから生きがいになり、元気になる源を貰えるから頑張れる
子育てとなんら変わりませんね…!
今年、立派なものは出来ないかもしれないけれど
一日一生、日々最善を尽くすことを考え続ければ
3年後は変わるかもしれない
身を寄せるこの土地でできる喜び
そんなことを感じると何もかもに沸々と感謝の心が湧き上がってきます
みなさん、ぜひ小さな小さな菜園から始めてみましょ~
さて、今週末は、後藤健太郎さん・後藤優さん、
月末はあたらしい日常料理 ふじわら 主宰の 藤原奈緒さんを招いて学びの場を行います
大暑へ向かう最中、身も心も力いっぱいに動いていきましょう~
今日も奮闘する一日を○
小野 佳王理