曖昧に深まる
田上真理子

気づけば、夜は毛布に包まり
朝にはあたたかな靴下を履く日々に季節の変化を感じるこの頃
秋ってこんなに寒かったっけ?
もう冬だと言いたいけれど、日中は汗をかく程
眩しい陽が射して
もはや、季節感なんてわからなくなる
庭の金木犀も蕾が開きそうで、開かない
こういう秋の曖昧さ
実は最近、とても気に入っている
なんとなく秋だよね〜って浮遊してる気配は
何もしてない、動きがないわけではなく
ただそこで深まっていた
まだ夏みたいだと感じている瞬間があって
もう冬のような寒さを感じている瞬間がある
そんな瞬間を重ねながら、曖昧な季節はいつしか深まって行く
そこに、はっきり季節の名前を当てはめなくてもいいのかもしれないと思うと
なんだか心が軽くなるのを感じた
けれど、日常は何かを選択し、決定しながら物語が進んで行くもので
わたしの中で"人生とはそういうものだ"と
どこか諦めに近い感覚で受け入れていた

ここ最近の選択と決定と言えば
実は、北九州ハーフマラソンにエントリーしたこと(←ここだけの話なので小声で 笑)
今回の選択と決定は、暫くの間
わたしの中でプレッシャーになり、居心地の悪さを感じていたけれど
そのぶん大きな気づきをもたらしてくれた
それは、保留にするということの軽やかさ
『保留』というと
決め切らない、判断できない、曖昧
そんなイメージがあったけれど、その背景には
「早く答えないと迷惑をかけるんじゃないか」
「早く伝えておかないと大変なことになるんじゃないか」
という思い込みが浮かび上がり…
ここまで書いていて、我ながらうんざりする
誰も期限や制限をつけていないのに、勝手に制限をつけて勝手に負荷をかけている
そんな人生劇場を演じている自分を俯瞰してると、なんだかフフッと笑えてゆるんだ
「ハーフマラソンを絶対に走り切る」を『保留』にしてもいいのだ
まだエントリーしただけ
抽選で通るかどうかもわからない
ただ、わたしの中でハーフマラソンを走れる身体になりたいという未来への種が
どんな明日を連れて来てくれるのか?というワクワクを携えながら
一日一日、観察して育ててみたい

来週までに何㎞走らなくてはならない
毎日このくらい運動しなくてはならない
と、制限や思い込みを
勝手に自分の身体に当てはめないという
「身体を知る旅」が始まった
いざ練習を始めてみると、今日の身体も昨日の身体も全然違う
毎日、違う自分であることを感じて
それがとても面白い実験データになっている
今日は、身体が軽いし沢山走れそうな気がしているけど
明日、気が変わることも充分あり得る
ウェアの締め付けや、靴のフィット感
膝の重さも胃腸の動きも
心の模様も全部が自分の身体であると感じられると
どんな反応でも感動してしまう!
「毎日、自分に感動してる」
わたしにハーフマラソン挑戦を決意させたのは、かおりんのそんな一言だったと思う
最初は、もっと浅い理解で
走れなかった距離を走れるようになることが、わたしの中での感動だと思っていたけれど
かおりんの言っている感動は、もしかしたらもっと日常の細かなことを言っていたのかもしれないと、今なら想像ができる
毎日、自分に感動しているということは
毎日、違う自分に出会い直しているということでもあるんだ
そんな日々が続くって、なんて豊かで幸せなんだろう
そりゃ、走りたくなる!笑
山にだって登りたくなる!と、ほんの少しだけ
体力おばけの小野家の在り方が理解できたような気がした

未来への種が、未知の明日を連れて来てくれるこの頃は、
日曜日になると古くなったストライダーで息子が伴走してくれるという新しい流れが生まれた
でも、習慣にするかは『保留』
息子の気持ちもコロコロ変わりやすいし、わたしなんて約束しても気が変わってしまうのだから
常に変化し続ける毎日
『保留』だからこそ味わえる今という瞬間を感じていたい
今週も佳き日々を〜♡

