朽ち、満ちる
小野佳王理

朽ちていくもの
無常なるものと永遠なるものが別々にあるということは
二つを分けて考えること
この分て考えることを般若心経では否定をします
朽ちつつある肉体のほかに永遠なるものはないと考え
分けることはできないのです
この朽ちつつある、無常なる身体、それを般若心経では色といい、この色がそのまま、即、空だと説いています
先日、母方の祖母が他界し、
その祖母との想い出を思い出す時間がありました
祖母とは一緒に住んでいませんでしたが
季節の行事には笹団子やちまき、おはぎ、餅つき、お赤飯など、ほっぺが落ちるような祖母のご飯を子どもの頃によく食べていました
地元を離れてから、東京で有名な和菓子屋さんのものを食べても
その味は味わえず、味の良し悪しだけではない、何かがそこには在ったのだと実感
それはわたしが”せいかつ”や暮らし”を意識し始めた最初のきっかけだったように思います

それでも20代前半若かったですから…笑
夜な夜な遊び、肌も荒れ、せいかつも荒れていた中で
雑誌で手前味噌の作り方に惹かれ、
自分もやってやるぜ!とその勢いで味噌作りキットを買ったのが初めての調味料作りでした
浅草の合羽橋の道具街までいき、小さな甕を選び、味噌作りの準備万端!
ところが、取り掛かろうとしたら
作り方の手順をちゃんと読んでいなかったことに気づき
大豆の浸水をしていない....!
大豆を茹で始めたのが深夜
一人暮らしの1Kのキッチンでぐつぐつと待つわけです
ようやく茹で上がり、もう終わりが見えたぞと思いきや
潰す作業が….
ようやく麴と混ぜ合わせて丸めて甕に入れれたのが早朝
完全にall night… とほほ
それから半年後に開けて白味噌を舐めてみると甘くて美味しい!
感動して、この時初めて鰹節と昆布で出汁を取り、
わかめと豆腐を入れてふつうの味噌汁を口にしたとき、これが常日頃だったら幸せだなぁと思うようになったのです
現代において
何もかも手作りであるべき、などと一切思わないのですが
手間をかけたものは尊い
時間と想いがやはり宿っていて
それは食に限らず、全てのものに共通して言えること
今年開催した岡本よりたかさん・あやさんによる「つちとて」もまたそのことを再認識する時間でした
半年間、一か月に一度のこの時間は忙しい日々を忘れ
目の前のことにひたすら向き合い、来年はシャツをしてみたいと、みんなと目を輝かせていました
最終日、育てたハーブで野草宇宙さんによる茶会はご褒美でしたねまる
12/2 (火)〜5(金)の4日間にわたる「無肥料・無農薬の大豆と小麦で麹からつくる『醤油の会』」
まだご予約募集しています。醤油作りはなかなか手が出せずにいたのですが、岡本さんと一緒に作れるなんてなんと心強い。ぜひ一緒にわいわいしながら作りましょう。
全日参加じゃなくても大丈夫です。ご相談ください。
ご予約はこちらから

只今開催中の㓛刀匡允展 では、初日と二日目に石田紀佳さん、石田千里さんによる「野生の石」の日常のたべものとお茶を味わうひとときを設け、二人の日々を垣間見る時間となりました。そこには、三年もの月日をかけた枇杷の種のシロップや、滋味深いパンがあり、それぞれの日々の幸せをお裾分けしてもらったようでした。
今週日曜日まで展示は続きます。功刀匡允こと愛称マークは週末土曜と日曜と在廊しますのでどうぞ会いにいらしてくださいね。マークの視点の変換を具現化した作品のこと、それぞれについて聞いてみると話が尽きず、とても面白いですよ。
それでは今週も佳き日々を⚪︎
