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㓛刀 匡允 展「アニミズム ― 山の声を編む」のご案内

㓛刀 匡允 展「アニミズム ― 山の声を編む」のご案内

黄色く色づいたセイタカアワダチソウが、冬の陽だまりを益々賑やかに見せてくれるこの頃。

今年もとうとう師走目前となりました。


うつしきでは、2025年の最後となる展示

㓛刀 匡允 展「アニミズム ― 山の声を編む」を開催致します。


初日、2日目には初個展でも喫茶をして下さった石田紀佳さん石田千里さんによる「野生の石」の日常のたべものとお茶を味わっていただける催しも予定しております。


展示と喫茶、どちらも愉しみに足をお運び下さい。


 

 

㓛刀 匡允 展

「アニミズム ― 山の声を編む」


日程 11月22日(土)ー11月30(日)

時間 13:00-17:00

会期中店休日 26日(水)

作家在廊予定 22(土)・23(日)・29(土)・30(日)


うつしき

福岡県宮若市原田1693

0949-36-4092

 

 


 

「アニミズム ― 山の声を編む」


岩手の山に入った。
熊が木を登った爪痕、枝を組んでつくった熊棚、そして糞場。
そこは、明らかに人の領分とは異なる“野生の領域”だった。


身体の奥底が、わずかに震える。

恐れとも敬意ともつかぬ感覚——
山がこちらの存在に耳を澄ませているような、そんな気配。
木も、風も、石も、獣も、固有の意志を帯びた存在として迫ってくる。
言葉よりも前の、人が世界を感じていた「原初の視線」がそこにあった。


㓛刀 匡允の編組品は、まさにその地点から始まっている。
竹、樹皮、葛、蔓──山の皮膚ともいえる素材に触れ、
伐るのではなく、譲り受けるように採取し、
裂き、煮沸し、柔らかくし、指先で編み込む。


そこにあるのは技術だけではない。
自然と人との境界にひそむ緊張と調和を、
“道具”というかたちに結晶させるための、ひそやかな祈りのような時間だ。


道具は、ただ使われるための物ではなく、
人と素材のあいだに新たな関係を結ぶ媒介でもある。

一本の竹にも、樹皮のひとすじにも、
風雪を受けてきた時間が確かに眠っている。
編まれることで、その時間は道具という新たな場へ移されていく。


㓛刀の道具には、
山で育まれた時間、素材の意志、土地の気配がそのまま編み込まれている。
手に取ると、静かなざわめきのようなものが立ち上がる。
それは素材の声であり、山の呼吸であり、
人が忘れかけた「ものと自然の境界」がふたたび立ち上がる瞬間だ。


今回、うつしきでの展示は三度目を迎える。
一度目、二度目と重ねるごとに、
彼の道具がまとってきた“山との距離感”はより深まり、
うつしきという場との親和もまた静かに厚みを増していった。


三度目とは、単なる継続ではない。
編まれてきた時間が濃縮され、
原初の気配がいっそう鋭く、いっそう澄んだ形で立ち現れる境目である。


山で得た感覚、野生の領域で呼び起こされた原初の気配が、
道具という形に結晶する瞬間を、どうぞ受け取ってください。






作家インタビュー映像

【対談】yasuhideono × 㓛刀 匡允

自然の知恵 / 編組品作家 㓛刀 匡允

意識の投影 / 編組品作家 㓛刀 匡允







◯喫茶室の催し



「野生の石」のいつものたべもの 

wild stone’s everyday light meals


食べるものには個人差があり、その人自身も、季節や年齢とともに変化していきます。

家族の成長や老い、気持ちや体調など。


そのような中で肩の力を抜いて

石田紀佳石田千里による「野生の石」がごくごく日常に親しんでいる軽いたべものとお茶を、

皆さんにも味わっていただきながら、時間の余韻をも、ともに感じていただけるような試みです。


うつしきの喫茶室でどうぞゆっくりお愉しみください。


日:11月22日(土)23日(日)

時間:13:00-17:00(16:30l.o)

場所:うつしき


メニュー

•スペスルト小麦とライ麦パンの「ならんちトースト」

豆乳クリームとオリーブオイル、ビワ種子シロップ添え

•里山生まれ野紫蘇合わせ茶 オニグルミ付き 

•青エンドウの大麦麹味噌汁   


※単品可

※予約不要ですが食数に限りがあるため、希望の方は受付します







 

心身共に忙しくなる師走を前に、あたたかな木漏れ日の下で日々の活力を蓄えて行って下さいね。

皆さまのお越しをお待ちしております。

 

 

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