うつしきを始めて丸8年という歳月が経ちました。
振り返ってみると一瞬のようにも感じるが、子どもの成長を一緒に並べてみると、一体どれだけの時間が流れていたのだろうかと思わされます。
毎年、作家さんを招いて展示をお願いしたり、喫茶室での食事会の企画をしたり、自分たちが学び続けたいという思いから、その時の興味のあることを軸に学びの場を開催してきました。
ファッション、工芸、骨董、古道具、古家具、空間装飾、絵、鉱物、植物、写真、アート、音楽、食、お茶、占い、合気道、ヨガ、チネイザン、畑、教育、本、自然食品、etc.
こうして書いてみると、節操なく幅広いことに手を出しているなぁ。
ここにはお店を始めた当初から理由があって、ジャンルやカテゴリー、分野という既存の枠組みに嵌りたくないという想いがありました。
そのせいで「ここ何のお店?」「あなたは何がやりたいの?」「よくわかんない」「作家なんだからアクセサリーだけに集中して作ってなよ。」といった声も少なからずきこえてきました。
一つのことを追求し続ける専門性に特化することの格好良さというのは勿論知っているし、そういう職人やアスリート、表現者には尊敬の念を抱いてます。
でも、自分にはそれができなかった。というより、そういうタイプではなかったという表現の方が正しいだろうか。
興味の対象が横に飛び移り、なんでも知りたいという好奇心には勝てなかった。
そのおかげもあって、普段出会わないような人と出会えたり、あらゆる価値観や考え方の人と交流できていることはとてつもなく大きいのです。
関わる人数が増えたことでの良いも悪いも知ることができました。
本当の意味で何かを教えたり、伝えたりすることの難しさも同時にわかりました。
ぼくらは言葉や文字、仕草で他者とコミュニケーションするが、その言葉を曲解してしまったり、背後の裏を読んで歪めてしまったりする。
その時の状況や状態によって伝え方も受け取り方も変わってしまうものだ。もちろん人と人の相性だってある。
同じ空間で同じ体験をしたとしても、マイナスに解釈することもプラスに捉えるだってできる。
それくらい誤解を生みやすい危うい世界を生きているのです。
昔、オーストラリアのパーマカルチャーのコミュニティで少し生活していた頃、平和や地球の循環を掲げ標榜する人たちが、思想や価値観の違いで争っている場面に出くわしたことがある。
仲のいい作り手とお店が、姿勢としての格好良さを優先するか、売れるという経済を優先するかという方針の違いで仲違いする場面というのもよくあること。
格好良さ至上主義というのもわかるが、そこに経済が伴っていないと目の前の生活や、その先の活動に繋がりにくいということもある。
お金のことなんて度外視して作りたいものだけを作れればいいという考え方だってある。
そこには自己満足という視点が強くなり、個人としてのみの幸福の追求になってしまうので、一緒に何かをやろうという動きにはなりにくかったりする。
相手にも生活があり、こちらにも生活があるという、未だに資本主義というベースが前提の上で話さないと理想論だけでの語りではどこまでも平行線になってしまう。
極と極の対比だけで語ると、その間の多様な視点がごそっと抜け落ちるから怖い。それが誤った解釈につながってしまう。
あーだこーだ色々な例えを交えながら自分たちがこの先目指していく方向はどこなのか。
ここから先、何を目標としてうつしきを運営していくのかを考えてみます。
・ 応援循環経済圏を作ること
売り手、買い手、作り手にとっての三方良しを常に目指したい
・ 共に成長し合える関係性の構築
スタッフ、作り手、お客さんとの三位一体な関係を築いていきたい
・ 作り手にとっての挑戦の場であり続けたい
ここでだからこそできるを目指してもらえる環境作り
この3つは変わらず大事にしたい根幹である。
売上という目に見える目標や、こんな風になりたいという漠然とした理想像ではない。
楽しんでやりたいというのは大切にしたいところ。
共に高め合い、学び合う関係を築き続けること。
拡大ではなく、進化でもなく、深化を目指したい。
今よりもできることを増やすこと。
口だけで語るのは誰でもできる。
実際に手を動かして、行動し続けること。
幾つになってもシンプルにそれしかない。
昨日できなかったことや、頭に描いたイメージが形となって作れた時のことを追い求める。
シンプルにそれだけのことだ。
あっち行ったりこっち行ったりあーだこーだと書き綴りました。汗
今年の残りの展示の予定です。
花月日 9月23日 (土) – 10月1日 (日)
市川孝 10月7日 (土) – 10月15日(日)
えみおわす 10月21日(土) – 10月29日(日)
督田昌己 11月18日(土) – 11月26日(日)
功刀匡充 12月2日 (土) – 12月10日(日)
展示がみごとに後半に詰まってしまったのでした。
どれも見応えたっぷりな展示となること間違いないので、ぜひ遊びに来てくださいね^^
改めまして一つ一つの出逢いに感謝を込めて
9年目のうつしきのことを宜しくお願いします。
ハッピーラブリーレボリューション♡
小野 泰秀