うつしき

うつしき

光育む

花月日 春夏帽子新作発表展 
お越しいただいた皆さんありがとうございました。

初日の二日間は喫茶室での珈琲kouの会もあわせてご堪能いただき、
ゆっくりとうつしきでの時間をすごしてもらえました。
松田さんのつくる心地の良い時間に、居合わせた方々が解きほぐされて、
みんなで一緒に帽子の試着を愉しんでくれました。


一年前、花月日にとっても初めての展示から、
季節ごとに発表を重ね早くも三度目の展。
お持ちの花月日帽をかぶって来て下さる方も多く、
すでに日々に欠かせないものとなっているようでした。

先日大正時代の建築を文献で見ていたら公共施設の椅子には大抵帽子掛けが付いていて
当時は当たり前のように帽子が日常にあったことを知りました。
ちょんまげ文化が退化したことから身分やひととなりを表わす役割も担っていた帽子は
ある意味その人を表わす重要な印であったのかもしれません。
今回選んでいただいた気に入りの帽子被って帰る際の嬉しそうに綻ぶ表情がとても印象的で、
その姿を見送りながら似合ってるねえと皆でしみじみ喜び噛みしめていました。
不思議なことにじっくり悩まれていたはずなのに決まった途端、その人のトレードマークのように馴染む帽子。
今回の展では初めてお披露目の素材や、
柿渋等で自ら染めた材で仕立てたものが多く彩り豊かな作品の面々が並んでいました。
使い込んでいく中で形や色の変化を愉しむのも醍醐味です。
ぜひたくさんの時間を共にして下さいね。

帽子の作り手だいちゃんのパートナー、うつしきスタッフでもあるまりさんは
量子力学を学び、実践されてます。
゛小さな量子のお話し会゛と題しての活動も。
私自身まりさんを通した量子の世界を教わりたいと願っています。
そんな背景があるからか、花月日は光を纏っているように見えます。
関東から福岡に移住され一年と少し。
そんなわずかな期間ですが、こつこつと丁寧に月日を積み重ねる様子が垣間見え、
大切に育んでいるのが伝わってきます。
家族で協力しあい変化を恐れず挑戦し、
生まれた帽子にはあたたかな陽射しのような光が宿っている気がします。
光に向かっていくというより、周りの様々な事象を受けて
自らの中から光をじわじわとつくりだすイメージが浮かびました。


写真 うつしき/花月日

うつしきではセレクトした帽子を引き続き見ていただけます。
もう夏日のように燦燦と降り注ぐ陽の光。
花月日の帽子に守ってもらってのびのびと外へ出かけてくださいね!

小西紗生