夫がアクセサリーの作家を生業として始めてから10年。
図らずとも一つの区切りのように、わたしたちと専門の同級生でもある宮城県大崎市にある
”いびつ”店主 佐々木雄一 (通称:たいしょう)の展示が昨日無事に終わりました。
たいしょうの初めての個展。来てくださった方、オンラインで愉しんでくださった方、ありがとうございました。紹介出来たことが本当に嬉しい。
たいしょうとオーストラリアで一緒にワーホリ、その後アジアを一緒に旅したのも10年前。
わたしたちが結婚をしてこれから一歩を踏み出そうと決めた時に一緒に居た友人でした。
出逢ってから18年近くになりますが、お互いのお店で展示が出来る関係であることが嬉しい。
苦しみや悩みを抱えながらも立てた旗を目指して進んできたから得られたもの。
お互いに違う道具とルートで山を一生懸命登ってきたことを振り返ることができた貴重な時間でした。
喉元過ぎれば…と言いますが、10年間、色々ありました。その中で私自身の心の変化について今回は綴ってみようと思います。
10年前、長男を授かり、夫は自分の選んだ道を生業にする為、猛進します。
わたしは家事、育児をしながらサポート。
時に刺繍をする作品をさせてもらったり、アクセサリーを制作したり、経理をしたり、雑務も含め色々な事をしました。
と同時に子どもと過ごす時間を大切にしたいという思いも強く、主体的に動いて仕事をするというよりは、受動的な仕事の仕方だったと思います。
夫の仕事を軌道にのせないといけないという思いはあったものの、あくまでも夫のサポート役としてどこか切り離して考え、
いつか子育てが落ち着いたら自分も主体となって仕事をしたいという気持ちがありました。
長男が幼稚園に入り、徐々にその関心が外へ向き始めるものの、うつしきを始め、忙しさが加速していきます。
隣でどんどん色々な事を学び、吸収していく夫。
同じように成長したいのになかなか出来ない自分がもどかしく、悔しいと思うこともしばしば。
仕事、家事、育児とのバランスを取るのが難しい時期でもありました。
1人で子ども3人連れて買い物、家事、時間通りにいかず苛々する毎日の繰り返し。
その上、自分の時間も削り、したいことは出来ず、皆んなの為に動いても、
なぜこんなに我慢をしなければいけないのだろうか…と自己犠牲を不満に思うように。
周りに手伝って欲しいという一言がなぜ言えなかったのか。張らなくていいところを頑張って、抜くところを知りませんでした。
その点に気づけたのは合気道を始めてから。
例えば、腕を掴まれ力を入れられると、反応するように力を入れ返してしまうのですが、
その時力を抜くことが出来れば、相手は力をかけにくくなり、攻撃されない。
抜くことによって、受けた力を逃すなんて、、考えたこともなかったです。
そこから力を抜く考え方を日常で意識するようになりました。
力が入ることで何か指摘された時に跳ね返そうとしてしまう私の癖にも気づき、真っ直ぐ受け止めることが出来るように。
抜くことにより、心に余裕ができ、今の自分の状態をきちんと見れるようになりました。
合気道からは心身ともに学ぶことが多く、腹から納得できることが沢山あり、始めてよかったことの一つです。
また、文章を綴るのが苦手だったわたしにとって、このスタッフブログは自分と向き合う時間として大切な時間となりました。
10年後読み返したいですね。
これからも悩みは尽きず、一つずつ向き合いながら過ごしていくのだろうと思います。
うつしきを通して出逢う、美しき人たちに沢山の影響を貰いながらも、自分の中心を忘れないようにしたい。
たいしょうの展示を終え、10年を振り返り、また先の10年を愉しく想像します。
今週末5/1からCOSMIC WONDERの展示が始まります。これから目指すべき10年先の在り方を表現している存在。
一つの指針として見つめる展示となりそうです。
小野佳王理