うつしき

うつしき

虫の神業

まだ夜も明け切らない早朝4時半
冷え込んだ空気の中
温かなお布団の中へ溶けていきそうな体を
起こすのに一苦労なこの頃。

今週水曜日には、早くも立冬を迎え
本格的な冬がやって来ますが
皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

私は、2年前に神奈川県から
うつしきのある宮若市のお隣、鞍手町に移住して3回目の冬を迎えるところです。

大家さん宅と同じ敷地内にある我が家の庭は
柿、柘榴、山椒、ホオズキ
この季節ならではの赤や橙の実の鮮やかさに
目を奪われる
なんとも贅沢な場所。

2年前は、こんな余裕はなかったものの
自然の美しさに
私たちはいつも救われていたように思います。

そして今さらながら
自然から受ける影響は
とても大きいと感じています。

 

 

自然豊かな場所
田舎での子育て

まだ神奈川に住んでいた頃

私は、その環境に憧れつつも
その背景にある切っても切れない存在
『虫』を恐れていたのでした。

移住して間もない頃は、
「虫、大丈夫?」と聞かれたり
「何もないし、虫ばっかりおるでしょ」と
町の人が声をかけて来ることも。

その上
「九州の蚊は最強」なんて聞いたものだから
当時の私は、虫の存在にとにかく怯えていました。

そんな我が家
虫を見ない日はありません。

カメムシと、わりと大きめな蜘蛛は日常的に部屋の片隅に。
大キライなゴキブリや危険なムカデとの遭遇も
関東にいた頃とは比にならないほど、、、
ですが、その環境が逆によかったのか
今は虫の生体、模様、色に
感動すら覚えるほど、怖くなくなったのです。

それは、ナウシカのような夫と
無邪気な息子の影響もあるかな… 笑

きっと私は
虫のことを知らなすぎたのかもしれません。

 

 

日常的に虫を見るようになり
じぃーっと観察すると
虫って凄いし、美しいとさえ思う。
(全部が全部ではないけれど……)
蛾の羽に描かれた模様や
蜘蛛が作り出す芸術品は、誰しも一度は
そう感じた事があるかもしれません。

うつしきの庭のティートゥリーに寄って来るニホンミツバチも
こちらが攻撃さえしなければ、刺して来る事はないということを知ると
可愛く見えてしまうから不思議です。

ちなみにうつしきはカマキリが多く
什器や床の上で置き物のように鎮座していることがよくあります 笑

 

2年前に初めて見た景色を思い出しながら、
虫達の神業があっての豊かな自然なんだなぁと、改めて植物達の美しさに目を奪われる秋でした。

虫達は鳴りを潜める寒さがやって来ますが
どなたにとっても
輝き溢れる冬の到来となりますように。

 

たのうえまりこ