今年の春が立つより少し以前、久しぶりにお花屋さんで花を買い
我が家の至る所に生けました。
全くの素人なので、いくつかのことだけ意識するのみで思うままに花器へと挿し、
蕾多めの彼らがゆっくりと開いていくと同時にふわりと香りが漂う日々を楽しんでいます。
その数日後、うつしきで開催した”はいいろオオカミ+花屋西別府商店”の展示
会期中にはフラワーリストの平井かずみさんによるWSもあったのですが
西別府さんと平井さんそれぞれの花への向き合い方、植物との関わり方を見聞きさせていただき
人間と植物の関係性や植物から与えられる感覚について想い馳せる時間が続きました。
生花をお水にさすことで空間に起きる鮮やかで優しい現象
人間が作り出した、ある種の均質空間において
その囲いに嵌らない花という生命の呼吸が
暮らしに小さな小さな森を与えてくれる。
人間にとって花という存在を考えながら
ふと、大学時代の心理学の授業を思い出しました。
「1万3000年前のホモサピエンスの墓地にお花が置かれていたことが分かった。仲間を仲間と想い、死に対して手向けた花の存在は、こころの存在を表しているのではないか。」
植物や花など自然のものを「美しい」と思ったり時に励まされたりするのは
私たち特有のことなのかもしれません。
人間は環境に依存したり影響を受けながら変化する生き物
華やかで饒舌なものよりも簡素で静かなものが好きで選びがちですが
こころが華やぐ景色も大切にしたいなと思いました〇
のせるみ