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一本の連なり

一本の連なり

はじめてのえみおわす展。

 

足を運んでいただいた皆さん、オンラインを楽しみにしてくれた皆さん有難うございました。

 

いつも展示は一瞬の幻のようなその時限りの景色をみせてくれます。

 

たった十日足らずの日々に、たくさんの人々の何日も費やした努力と長年かけてきた経験が形となり集約して私たちは受け取ることが出来ます。

 

今の感度が選んだ衣服はこれからの日々をより鮮やかに染めてくれる気がします。

 

私も選ばせてもらった服がすでに生活の一部として当たり前のように傍にいて守ってくれています。

今展ではえみおわすさんが服作りで訪れた各地よりご縁のあった古道具も並んでいました。

 

その中でもまじまじと何度も触れて目が離せなくなってしまうアカ族のバッグ。

 

葛を績んでできた糸を編まれたもの。

 

こんなに緻密なものは最近ではほとんど見られなくなり、技術の継承も難しくなっているそう。

 

以前葛糸をつくってみたくてお願いしていた会がとん挫して、
どうしても植物から糸を績むところが気になって別の植物 “からむし” からつくるところを見に行きました。

 

繊維を一本一本裂いて取り出しそれぞれを撚って一本の長衣い糸にしていく。

 

糸を績むだけで途方もない作業ですが、職人さんたちの手は水が流れる如く滑らかに動き、
当たり前のように手を動かしただけ糸に姿を変えて跡が遺っていきます。

 

葛の場合は長い発酵期間も伴い本当に果てしない作業。

 

そんな手をかけたものが今海を渡って自分の掌の中にあることにもものすごく心動かされます。

3月29日に公開された太田美帆さんの新しいアルバムの中の1曲 “春と神様” のMV。

此処に留まったままでなく、まず一歩を足を踏み出したくなります。

 

季節が巡ることに後押しされ、この音楽が勇気づけて時に寄り添ってくれる。

 

現在次なるMV制作をうつしき撮影部隊が進行中です。

 

新しいアルバムと共に映像も介して多くの方に届いてほしいです。

 

心を揺さぶるものが日々に在ること。

 

そんなことが連なった蓄積が自身をつくっていると信じています。

 
小西 紗生

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