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治して育む

治して育む

ここ最近どこかしらに不調が出て困っている。

辿ると原因は自身の中にあるのだろうけど、自ら起こしたことを治すための矯正はどうしてこうも難しく感じるんだろう。

 

 

うつしきでは今週末よりMITTAN展を開催します。
前回とは季節をかえて一堂にMITTANの意匠がみられる貴重な機会。

多くを自然のもので作られた布地は、元来植物や動物の細胞だったものを様々な方法でひとところに集め皮膚を構築するように一着の衣服へと姿を成しているかのよう。

身体の上に重ねているのに境界線なんて感じないくらいのびのびと動ける不思議。

うつしきに入って出逢ったMITTANの衣服との付き合いは5年ほど。最初に選んだ衣服は今も大活躍してくれている。年月を重ねても同じ意匠を作り続けられている為、気に入りのものを数年経ってまた選ぶことが出来る。


自分の身体を守ってくれて跡がしっかりと残ったものは、アタリが出て布地もとろっとして身に着けると自分だけのおふとんにもぐりこむよな安心感。新しいものはぱりっと前を向かせてくれる。

同じデザインを日によって使い分ける愉しみはMITTAN独特の感覚。

 

 

たくさんの時間を共にしいつか擦り切れたり色褪せても修繕をお願いすことが出来る。

会社を挙げて大きな理念として続けられている企業は稀ではないだろうか。

何度かお直し後の服を見られる機会があったが、治癒とも似た気配があった。

 

誰かの時間がそっくり沁み込んだ衣服、
その蓄積でしか現れないものは消し去ることなく
今在る事柄を生かし、必要なところを手当てする。

 

ただただ身体を衣に預けて、
汚れたらじゃぶじゃぶ洗えばいいし、
擦り切れたら直すことだってできる。

前を向かせてくれる衣に逢いに来てくださいね。

 

 

春になって冬の間に溜まったものを身体が出そうと頑張ってくれている。

不調もその一環なのかもしれない。

そうして現れることは自身を見つめなおす気づきもくれる。

教えてもらうことをヒントに除くこと、補うことを探っていく。

今在る身体は他に変えられるわけではないから、在るものに感謝して磨けるように進んでいこう。

 

小西 紗生

 

 

 

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