うつしき

うつしき

菜虫蝶と化す

梅の花は散り始め、葉の芽もちらほら。

先日32日から始まったはBUM展も今日で最終日。

3日間の食事会に青空カット。

彼らの仕事と日常の中で工夫を凝らした台所衣に、縁があって手にした植物から生まれたオイルやミスト。

粘土で作られた鮮やかな小さな小さな世界。

スパイスの香りが漂う、うつしきはいつもの展示と少し違う様子。

まだいらっしゃっていない方、本日ぜひお越しくださいね。

 

わたしたち家族も青空カットに便乗してBUMの一人、美容師たくやくんにカットしてもらうことに。

次男は憧れ(?)である進撃の巨人のリヴァイ兵長の髪型を注文。

刈り上げたその髪型は今までの”かわいい男の子”から”かっこいい男の子”になり、

髪型一つでこんなにも印象が変わるものなんだと、

息子を始め、青空カットをされるお客さんたちのビフォーアフターを見ながら感心するばかりでした。

そんなわたしは長かった髪とお別れした記念すべき日。

5年近く共にした長い髪は、こうあるべきだ。こう在りたい。という想いが詰まりに詰まったもの。

箒で集められ、塵取りに収まらないその塊は魂の欠片のようで不思議な気持ちになるものの、白い線が目に入り、

”あれ、白髪あったんだ!”と知らなかったぁ,と驚いていたら、どうやらそれは先に切っていた夫の髪だったようで

いざ離れてみたら、自分の髪かどうかも分からないものなんだなぁと。

逡巡していたところもあったけれど、バッサリ切って爽快!

物質的にも精神的にも軽くなりました。

 

出産後も頑なに伸ばし続け、時間がなくても、長い髪を手放したくなかった。

憧れの女性像、自分の象徴。

でも今はもうそうじゃなくなった。

そう在ろうとすることが苦しくなってきたというのが本音かもしれません。

伸ばし続けた5年という月日の間で知らず知らずのうちに自分を縛り付けていたのは自分だったことに気づいたのでした。

 

ちなみに髪型はたくやくんにお任せ。

今の気分にピッタリで、新しい自分に出会ったようで嬉しくなって、

“切ってよかった”と心の底から思いました。

春、長男は中学生になり、末っ子は保育園へ。夫はついに編集学校の最後のコースが始まります。

さなぎがが蝶になるこの季節。

あの髪の塊はさなぎの抜け殻のよう。

家族の変化と共に、自分のことを見つめ直す時が来たようです。

春の暖かな光とともに殻を破って動き出しましょう~

 

うつしきでは yuichi sasaki (いびつ) × 花月日 展 が316日から始まり、週末2日間は珈琲kouの喫茶があります。

変化の渦中にいる皆の今の表現をどうぞお愉しみに。

 

今週も宜しくお願いします○

 

小野佳王理