うつしき

うつしき

こどもの目線

4月の花月日 新作発表展
お越しくださった皆さま、ありがとうございました。

作家側として展示をさせていただく時間は
多くの方が心を寄せて下さり
関わっていただけることが本当に有り難い事と感じます。

今回も、うつしきで出会って下さった皆さまへの感謝の気持ちでいっぱいです。

 

お手伝いをさせていただきながら
私の中では日常にあるうつしきですが
今回、在廊のために息子を連れて来るのは久しぶりのこと。

今展示期間は、小野家のこども達と息子の成長を感じられる特別な時間となりました。

家族というチームの中で
どうしても我慢させてしまっているような
展示に付き合わせることに罪悪感のようなものを感じることもあるけれど
いつの間にか、小野家のこども達5人の名前を言えるようになり
自然とその場に馴染んでいる息子の成長を見ていると、連れて来てよかったな~と
罪悪感もどこかに吹き飛んでしまうから不思議です。

とくに息子と同級生
小野家の次男は息子にとって
おもちゃを奪っていく怪獣のような存在。

息子のほうが苦手意識を感じて近づかないのが
今までの二人の距離感でしたが
そんな二人が手を繋いで歩く姿や楽しそうに笑い転げる姿は
余計な壁や思い込みを取っ払ったように見えて
こども達の柔らかさに、ただただ感心するしかなく……

彼らが見ている世界が
羨ましく感じることもあります。

 

とある日曜日
小さな蜘蛛と同じ目線になって床を這っている時
私たちをドキドキさせる前世の記憶のような話をしてくれる時

息子と蜘蛛の間
息子と前世の記憶との間は
グラデーションの世界であり
境界線もないのかもしれないなと感じるのです。

心の壁や思い込みという色眼鏡がない
こどもの視点だからこそ見えることがあるのだなと思うと
今しか見せてもらえない姿や、今しか聞かせてもらえない言葉を
ゆっくり味わってあげたいと思う今日この頃です。

今週は
うつしきのボスyasuhide ono
うつしきとも所縁ある作家さん 佐々木雄一氏
花月日 夫の田上大祐による「三人展」が開催中の宮城県へと向かいます。

息子と私にとっては、初めての場所。
どんな景色が見られるのか、こどものような目線に戻り、目の前の景色を味わいたいなと思います。

皆さま、佳き一週間を

田上まりこ