うつしき

うつしき

”叱る”という愛情

庭の畑に枯葉をたんまり落とした
裸ん坊の欅の木を見上げ
寒さに肩を窄める今日この頃。

12月らしからぬ
生暖かい風が吹いた先週から一転
日曜日の朝にはうっすらと雪が積もり
心も体も
一気に年の瀬へ。

2023年も残すところ2週間。
我が家では、クリスマスが近づき

「クリスマス、あとどのくらい?」

と待ちきれない様子の息子。
残りの2週間は、お祭りのように過ぎて行きそうです。

今年を振り返ると、本当に沢山の旅をしました。

うつしきをはじめ
京都、宮城、愛知、東京での展示会。

その前後に立ち寄った
大阪、奈良、茨城、香川、静岡。

プライベートでは
大分、熊本へ。

そのすべてに
家族で行けたことは、有り難い事でした。

 

 

旅というのは、佳くも悪くもバランスが乱れて
体調や精神に影響があるもので
とくに成長真っ只中の4歳の息子の変化は
親にとって、喜びだけではなく
苦悩の種となることも学んだ一年だったように思います。

旅先では、どうしても甘やかしてしまう事が多いので
帰宅しても同じようにしてもらえると思っている息子。

このところは、”言うことを聞いてもらえない”
“自分の望みが叶わない”とわかると
癇癪を起こして、手に負えないことも…

「私達の子育てが間違っていたんだろうか?」

息子の癇癪の末
食卓に3人揃わなかったり、暗い顔で食事をしていると
つい、そんなことを考えてしまう。

家族と共に在る暮らしの中でのものづくりや
家族と過ごす時間を優先したくて選んだ今の暮らしのはずなのに
3人が笑って食卓を囲めなかったら、本末転倒ではないか!
と、悶々と考え息子に対して”叱れない”日が続いていました。

このままでいいのか?と
疑問を抱く夫と私。

5人の子がいて、子育ての先輩である
小野家の子供たちを見ていても思うけれど
子供は、ひとつ望みが叶わなかったとしても
ひとしきり泣くとか
新しい遊びを見つけると、途端に笑顔になったりする。

怒られたとしても
次の瞬間には美味しいものを食べて
ふふふっと笑っている。

子育てに正解はなく
その子の生まれもった性質や
兄妹のいる、いないによるかもしれないけれど
子供というのは
大人が思ってる以上に
ご機嫌に生きる力を持っていると思うのです。

叱らず、何でも言う事をきいてあげたら
ぐずることもないし、癇癪も起こさないし
時間も無駄にしないし、笑っていられるし
楽だけれど…

 

それは息子にとって、一人で生きて行く力や自分で自分の機嫌を取る力を奪ってしまうことかもしれない。

夫がよく息子に話すのは

“ジャイアンのママが怒るのは、ジャイアンのことが大好きだからだよ。”

という、優しいだけじゃない愛情を伝えるという事。

子供をコントロールしようとする
服従させようとする愛情なのか
そうでない愛情なのか

それは子供自身に勝手に伝わるものだなと
息子を見ていて
一番学びになっているこの頃。

母は、いつも太陽みたいに笑っていることも
大事だけれど
時には
ジャイアンの母ちゃんみたいに
愛情を伝え続けたいと思うのでした。

 

 

ご家族やご友人、恋人
大切な方と過ごす時間が長くなる年末年始。

愛情を伝え合い
心温まる新年をお迎え下さいね♡

本年もありがとうございました!

 

 

たのうえまりこ