いつもの台所と食卓

田上真理子

暑い暑い夏の午後
西向きの出窓に沿ってシンクと調理台がある我が家の台所はこの時期、山に陽が隠れるまで眩しい光が射して、ひとたび火をつけたらサウナのよう
それでもここは、わたしにとって一番落ち着く場所で、ずっとここにいたいと思える場所
ここで陽が沈んで行くのを感じたり、台所の真ん中の食卓から見える庭の木々を彩る花、刻々と変化する空の色を見ていると、なんとも言えない安堵感を感じるのです
それは息子も同じなのか、お喋りな彼が食事中に急に黙る時は、だいたい窓の向こうの雲や、木に止まる野鳥に目を奪われていたりする
一日の終わりにお布団の中で
"今日楽しかった事は?"の質問に、我が家はみんな揃って「みんなでごはんを食べたこと!」
と答える
それだけ台所と食卓
その場所は、日常に欠かせない存在です
うつしきで5月から月一で開催中の講座「つちとて」
そこで賄い担当をさせていただくようになり、わたしにとってもうひとつかけがえのない場所になったうつしきの台所、小野家の食卓
月に一度、特別な挑戦をさせてもらっている
そんな緊張感もあるけれど
日常では週2回、かおりんが作るお昼ごはんが密かな楽しみだったりして
わたしに大きな影響を与えてくれた場所でもあります
中学生、小学生チームが夏休み中の今は
長方形の食卓のせまいほうに、母かおりんを真ん中に挟んで小学生2人が並び
キュウキュウに肩をぶつけながらごはんを頬張ってるのが微笑ましい 笑
こどもは、お母さんとくっつけるなら暑さなんて関係ないという愛を感じ
食卓を囲む時間って、本当に楽しいって改めて感じさせてもらっています
一人、台所で料理と向き合う時間も
その後の食卓を想像することがほっとできる瞬間であり
自分らしさを表現できる安堵感に繋がっているように感じられます
それは好きなものを食べた時に身体の奥から湧き上がってくる喜びや
誰か食べてくれた人が発した「美味しい!」という響きも同じこと
台所と食卓には、いつもそんなエネルギーを満たしていたいものです
それにしても今年の夏は、とにかく茄子が美味しい〜〜!!と感動していたら
息子のお友達のパパが育てた茄子を大量にいただいて、嬉しい茄子三昧の食卓
今週も身体が喜ぶ食事をして、残暑を楽しんでいきましょ〜♡