日常の小さな世界が教えてくれたこと

田上真理子

例年より20日も早く梅雨明けを迎え、朝早くから陽射しが照りつける通学路には
ミントの葉が茂り、その香りを身体いっぱいに吸い込んで子どもを見送る7月
暑いけれど、汗を流しながら過ごす毎日が気持ちよく感じるのは
お天道様の光に、そう思わせてくれる大自然の力があるのかもしれません
長めの中休みと思っていたら、早々と姿を消してしまった梅雨前線もそうですが
今年は自然界がいつもと違う気配を漂わせているように感じます
例えば、春先からよく見るカメムシや蜘蛛が今年はあまりいない
気にしなくなっただけとも言えるけど、やはり意識しているからこそ
明らかに少なく感じてしまう
稀少と言われるハグロトンボが群れで出現しているのは嬉しいことだけれど
これは、一体何の知らせなんだろう?と
良くも悪くも何か意味付けをしたくなってしまったり…
最近一番驚いたのは
わたしたちが寝静まった夜、気配だけを残していた猪が昼間にやって来て
畑を中心に土の中の小さな獲物や、木の下に落ちた梅の実を食べていることです
この秋で、移住して丸4年ですが
初めての出来事でした
このところ、近隣の山の木々が伐採されていることも関係しているのでしょうか
そんな我が家の周りの小さな変化を感じていると
以前のわたしが、これも自然界の流れで逆らえないものだ
と、深く考えることから逃げて来てしまったということに気づきました
大きな出来事や自然界に対して、自分が無力な存在だと感じていたのです
例えば大きな震災や災害が起きた時
世の中で起こる大きなことに対して、いつも無力感を感じて
勝手に"わたしは何もできない"と思い込んで、そして勝手に落ち込んでいたのでした
このところのわたしの身の回りで起きたひとつひとつの出来事は、小さな事かもしれないけれど
これが大自然からのメッセージだとしたら、わたしには何ができるんだろう?と
素直に疑問を感じたことは、わたしにとっても大きな変化でした
いつも通りの明日が来ることが当たり前ではなく
今、生かされてることが奇跡だと思うと力が湧いて来るから不思議です
大きな事ではなく、小さな事から
何を選び、行動するかはぜんぶ"自分次第"
そんな自由さ、柔軟さを許可しながら
今週も健やかな一週間を♡