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時を重ねる衣

時を重ねる衣

あなたの一着の衣服のサイクルはどのくらいですか?

一人の人が所有する中でも決まりがなく役割や状態によって共にする時間はそれぞれだと思います。

手放す時の理由も幅広く、好みが変わった、サイズが合わなくなった、生活スタイルの変化、等々。

気に入っていたものでも着用頻度が高く色褪せ、擦り切れてぼろぼろになってしまって泣く泣く手放すこともあるかもしれません。

MITTANより初期の頃より作り続けられているカディシャツ(補強)が届きました。

MITTANは2013年のブランド設立当初から一貫して修繕・染め直しを受けられています。

また、定番品の展開により一過性の流行を追って当たり前に大量廃棄する既存の考え方を
根本的に見直すシステムを構築されています。

MITTANは普遍的なデザインと安心感のある頑丈なつくりは日々に欠かせなくなり、気が付くと毎日のように着ていることがあります。

だからこそ数年先に同じものが手に入ること、くたびれてしまった服へのアフターケアが
使い手としても大切な要素となります。

時を経た衣服は、人がその中に包まれていたからこそ現れるアタリや癖による変化が見られます。

もしかしたら衣服から、その人の職業や嗜好までも読み取れるのかもしれません。

そういった゛跡゛は意図的につくろうとしてもどこか不自然で、模した「・・のようなもの」は実現できてもリアルな時間の蓄積はどうしたって再現しようがありません。

襤褸に見られる価値もそのような背景から生まれたように思います。

うつしきにはそんな衣と共に古物が並んでいます。

多くはインドやアジア圏から海を渡ってきたもので、その土地の暮らしや空気感も吞み込んで、積み重なった時間の跡が現れています。

中には修繕跡が見られるものもあり、貴重な材料である鉄の断片をいくつも継ぎあわせた壷や、木製家具の脚が別の素材で補強されていたり。

その存在感がものすごく格好良いのです。

また、ものを使っていく中での破損は形ある限り避けられません。

けれどもそのまま捨てるではなく直すことに着目すると光が射してきます。

金継師 佐藤恵美子さんによるお直しは偶発的に起こった出来事でしか成し得ない唯一無二の存在に。

衣であろうと道具であろうと、迎え入れたものとの関係を永い時間をかけて育てていくことも一興です。

MITTANでは新たな試みとして、何らかの理由で着用されなくなったMITTAN製品の買取をスタートされました。

生み出したものの先に起こる事柄までまるごと責任をもって取り組む強い理念。

そんな考えで作られたもので身を包みたくなります。

一着の衣服が何度と修繕を重ねいつかは小さな断片となり、また別のものを修繕する一部なるかもしれない。

そんなずっとずっと先の時間まで想像できる存在です。

 

おすすめの併せ
MITTAN 綾織大麻パンツ
もんぺを彷彿とさせるような可動域の広いパンツは、
のびのびと身体を動かせ足元はすっきりとした美しいシルエットが特徴。
付属の帯を締めると気持ちを前に向かせ姿勢を正したくなります。

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