うつしき

うつしき

デジタルデータ世代

初めて買って使ったカメラはデジタル一眼レフで、かれこれ10年程が経ちました。

それから変わらず今もデジタルカメラで写真を撮っています。

デジタルネイティブ世代の自分にとってデジタルカメラを選択したことは極々自然なことでした。

デジタルの時代を生きている今の人たちとっては、「現像する」「プリントする」という概念があまりないのではないでしょうか。

もはやデジカメで撮った写真(多分、フィルムもなんじゃないだろうか)は
「SNS用にスマホの写真フォルダーにあれば良いっしょ。むしろデータくれや。」
と思っている人多いんじゃないかなと思っています。その枠に自分も当てはまりますし
もちろん、良いとか悪いとかではなくてこれが時代なんだなと思うのです。

フィルムカメラ時代からデジタルカメラ時代に変わって、誰でも気軽に写真が撮れるようになり、暗室での現像作業なしですぐに写真を確認することができたり、デジタル化された写真は誰でも簡単にインクジェットでプリントすらできてしまう。

デジタルに何度助けられただろうか…

その恩恵は計り知れません!

ここで考えたいことは、その恩恵ではなく、フィルム時代にはあって、デジタル時代にはない感覚、つまり失った(失いつつある)感覚について。

僕がこのことを考えるようになったのも最近の話で、自分の家の一室に4.5畳程度の簡易暗室を作ったことが大きなきっかけでした。

正直、暗室に必要なものから現像・プリント方法についてなど、デジタルの最先端と向き合っていた自分にとっては何もかもがわからない。

そのような具合でgoogle先生、YOUTUBE先生の力を借りながら地道に準備を進めて、無事にモノクロ現像、プリントをする環境は整え5月上旬ごろに初めて引き伸ばし機を使って以前使ったモノクロフィルムをプリントをしてみました。

4,5回目くらいまでは失敗をして印画紙が真っ黒になるわけなのですが、引き伸ばし機が放つ照明の光に反応した印画紙が現像液に浸すと反応するだけで楽しい。

夜な夜な一緒に実験してくれた鈴木くんと「うおー-!」と深夜にテンションが上がっていました。

6回目ぐらいから何となくぼんやりと撮影したものが印画紙に映りこみ始め、停止液、定着液、そして水洗いの手順を踏んで乾かしものとしての自分の写真を始めて見ました。

「えー-….すごい、別物だ。。。」と感動した日のことはまだ記憶に新しいですが、あの日の衝撃は自分の中ではとても大きな出来事だった気がします。

それからフィルムやそれ以前の写真の世界、もっと言えば、デジタルを暗室でプリントするデジタルネガやプリントするときに使う紙や液体の世界へ興味が完全に向きました。

何が違うかと言われると、明確にこれといったものは言語化できておりませんが….(いずれしっかりと言語化します!!) 

データ上で見る写真では感じることのできない「なにか」。デジタルとプリントしたもの、別物だと言ってしまえばそれまでなのですが、

フィルムの時代には当たり前にあったはずの写真と向き合う感覚が、デジタルの普及により自然に失いつつある。

実はその感覚ってとても大事なものな気がしています。

とはいえ、デジタル時代に抗いたいというわけではありません。

時代の変化によって拾い忘れたた感覚が確かにあってそれらを取り戻したい気持ちの方が強いといった感じで
デジタルとアナログの自分にとっての良いバランスを探しているところです。

アナログをデジタルが凌駕しつつある今の時代。写真の世界に限らず、他の世界でも拾い忘れた感覚があちこちに隠れているように思います。

広く、そして深くそれぞれの世界、時代を捉えていきたいと思います。

まだまだ現像もプリントも手探りで失敗の方が多いですが、少しづつでも前進あるのみ。

もっともっと掘りあさりたいと思います!

それでは、今週も学びの多い一週間になりますように◎

小田 雄大