まだ5月だというのに急上昇する気温。
強い日差しに目が眩みそうな福岡です。
冬の帽子のご紹介から月日がめぐり、寒い季節があったことを忘れそうなほど
同じ場所での肌に受ける変化に驚かされます。
これからの季節、暑さから守ってくれる花月日の涼しげな帽子のご紹介です。
3月に初めての展示を開催していただき新たにたくさんの作品が生まれています。
彼の作品をはじめて見せてもらったのが美しいフォルムのブレードの帽子でした。
心地よくなだらかな曲線は一度見たら記憶に残る不思議な魅力を持っています。
マニラ麻で編まれた細い細いブレードを特殊なミシンで縫い合わせて一筆書きのような工程で形作られています。
繊細なステッチを目の当たりにすると、シンプルだからこそ高度な技術を要するのだろうと想像に難くありません。
工場一本の機械化が進み、ミシン自体も手に入りにくくなっている昨今、日本で作れる職人はほんのわずかだそう。
好きなことに正直にhttps://www.youtube.com/watch?v=sYs2MBrFzTc
道具と作品の間https://www.youtube.com/watch?v=fVVduA44KOI
花月日が持つフォルムはなぜこんなに惹きこまれるのだろう、、
兼ねてより思っていたことを掘り下げると想像を膨らみます。
例えば、なかなか泣き止まない子どもにアンパンマンを見せると
途端に泣き止んで集中している時があります。
年齢も別で、まったく異なる環境で育った子でも、
じーっと見入っている姿に何故だろうと不思議に思っていました。
例えばおむすび。
その人の手の中に包まれる一粒の集まり。
誰かが結んでくれると尚おいしい気がするのは、
掌で型どられた有機的な形でしか生まれない優しい不均一さ故かもしれません。
ブレードを縫い合わせて出来上がる形は重なりがある分、弧を描く美しい曲線のなか
ほんの少しの不完全さが生まれます。
きっと目では全くわからないものを、人が持つ遺伝子に組み込まれた感覚として受け取っているような気がします。
美しさの中に表れる親しみ深さは、人間自体がオーガニックであるように
もしかしたら有機的で完全ではない形が人を惹きつけて離さないのかもしれません。
ヘンリー・ムーアの彫刻に見るような母性にも似た、
包み込んでくれるような受容が形の中に含まているようにも感じます。
これは私の中に浮かびあがった感覚。
あなたならどんなことを思うでしょう。
寛容な帽子は唯一の存在でありながら、意外にも様々な雰囲気の衣服にあわせやすく、
あっという間に馴染んで帽子を被らないとそわそわするような友好さも持ち合わせています。
家族3人で隣町の鞍手に移住して半年ほど。
自然豊かなこの地で3人がそれぞれを尊重しチームのように作品を生み出されています。
花月日の作り手大祐さんのパートナーまりさんが4月よりうつしきの店頭に立ってくれています。
傍でずっと支えてこられたからこその視点、ぜひお話し聞いてみてくださいね。
大人だけでなく家族で被るのもおすすめです。
子ども用の帽子もご希望の際は相談してみてくださいね。
これからの季節の愉しみとなりますように。