連なる縁

先週うつしき七周年 うつろい 展 二週間にわたる展示が幕をとじました。
みなさんのおかげで七年目を迎えることが出来ましたことを心より感謝いたします。。
展示を終えると日常が戻ってきたようでいて、確実にこの場が以前の状態とは違い学びや経験を重ねています。
七年の間たくさんの催しをひらいてきましたが今回はボスを筆頭にうつしきを構成するスタッフたちのそれぞれの企画をひろげさせてもらった展となりました。
私たちにとっても初めて尽くしの新たな一歩を踏み出す貴重な機会。
うつしきに携わってくださる作り手たちの撮影をし続けてきた小田雄大の初の写真展でもあり、これまでの歩みを共にしてもらった親愛なる方々との共作のような展となりました。
最終日は台風で止む無く一日早くの閉幕となりましたが、過ぎ去ったあとすっかり季節が変わり、空にはのびのびとうろこ雲が描かれていました。
外と中との境界線がなく店内に並べられたものだけでなく外の景色もうつしきでは背景の一部となります。
写真も、鉱物の装身具たちも同じ存在のはずなのに、日々刻々と変化する景色に影響を受け変幻に表情を変えていました。
そんな風景が傍にあると、今この時でさえも次の瞬間にはおなじ状態ではなく、うつろうことが常であることをありありと気づかされます。
私自身が企画させてもらった一日花屋。
三年ぶりの開催でしたが、生憎台風直撃で変則的な店開きとなりました。
悪天候の中お越しくださったり、予定を変更してご都合付けて下さった方々、優しい言葉を寄せて下さったみなさん本当に有難うございました。
植物束のご予約のお客様のひとりに、まだうつしきの一員になる前に出逢った方がいました。
きっかけはうつしきで行われた田代沙織によるアーユルヴェーダのワークショップの参加でした。
福岡ではめずらしく雪が舞う日のこと。
冷たくピンと張りつめた空気の中、集まったメンバーが身を寄せ合って田代の智慧に耳を傾け五感を澄ます。
ずっとずっと前のことなのに大切に心に在り今でも鮮明に記憶しています。
その後スタッフとして関わるようになり、お客様とも何度もご縁を重ね、様々な想いからその方に宛てての手紙のような気持ちで植物を束ねさせてもらいました。
受け取り時、はじめて彼女がうつしきに来たきっかけを教えてくれました。
まだうつしきがスタートして間もない頃、ボスyasuhide ono が装身具を制作風景を撮った映像に惹かれて足を運んでみたいと思ったそう。
その映像を作ったのが小田くんでした。
映像での紹介は形を変え進化しながらも、オープン当初からこつこつと続けてきたこと。
彼らの存在や作ったものが、誰かの時間をつくる要素のひとつになっていたことを改めて感じ、嬉しさが身体中を駆け巡りました。
そういえば私がうつしきに勇気を出して行ったのは、今回演奏会を開いてくれた川井有紗さんが携わっていたからだった。
そして有紗さんと出逢えたのは学生時代にひらいた個展にふらっと立ち寄ってくれた素敵な女性が繋いでくれたんだ、、、
と遡るとかけかえのない点がいくつも思い浮かぶ。
それは誰しもがきっと持っていると思います。
太田美帆さんをきっかけに来てくれた方が、紹介するたくさんの作家さんと出逢ってくれたり。
山香デザイン室小野友寛さんの展で出逢ったTANEさんの世界に魅了されて、大分のお店に何度も訪れている方。
小さな入り口から進んだ先にたくさんの素晴らしい作り手との縁をそれぞれに育んでいる様子が伺えます。
各々が描くどこまでも続く線の中にひとつの点としてうつしきという場所があることに感謝でいっぱいです。
縁が連なりうつしきで叶った「健やかに」は季節をかえてまた来年開催予定です。
それぞれが別の時間を経て、また集まって事を成す。
近い未来にそんな出来事が待っていることに心弾みます。
余韻のこる七周年の催しの様子は小田くんの映像でご覧いただけます。
今後の更新も愉しみにしていてくださいね。
来月は初頭よりすっかりおなじみの花月日の秋冬帽子発表の展が待っていますよ。
今後もご紹介したい作家さんがいっぱいのうつしき。
8年目もみなさんと一緒に歩んでいけますように。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
それでは今日もまんまるな一日を〇