うつしき

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対 話 - 余韵 -

佐賀県を拠点に、植物性菓子を作るかたわら、伝統的な韓国菓子作りや、野草好きが高じて和の葉の餅をひろめる活動をしている余韵さん。
 
“お菓子作りが好きすぎて”
 
そう話す原動力は、どこからやってくるのでしょうか。

マクロビオティックとの出会い

『余韵』という名前は、記憶に残るお菓子であるように。どんな風景のなかで育てられた食材か、想いを馳せてほしい。『陰』と『陽』、バランスよく生きていく。という意味が込められている。
はじまりは、育児のあいまに楽しみをみつけたいという思いから参加したお菓子教室。

それまでは、お菓子作りに対して強い関心はなかったと振り返る余韵さん。

本格的にお菓子作りにのめりこんだのは、マクロビオティックに基づいた生き方に触れたからです。

「マクロビオティックに出会うまでは、食材の選び方も深く考えずに、少しでも安い食材を選んでいました。

自然の流れや秩序に沿って生きること。住む土地でとれたものを、季節、環境、体調に合わせて、できるだけ自然のまま素材を丸ごと頂くということ。マクロビオティックの考え方に共鳴し、私も実践していこうと決めました」。

“こうじゃなきゃいけない” というアタマの中の縛りを取っ払う


マクロビオティックに出会い、食生活を整えることで大きく変わったのは、体の微細な変化に気づくようになったことだといいます。

「体調を崩しても、こういう食生活をしたから崩したんだと理由がわかるようになりました。マクロビオティックは一見ストイックに思われがちですが、『絶対ダメ』『しなければならない』というものはありません。抑圧と強要がない分、食事や生活について自分で正しく判断できる力を身につけることが大事だと思います」。

「食生活で重要なのは、おいしいかどうかですよね」と笑いながら話してくれた余韵さん。大事なのは、思想や情報だけに縛られずに、自分が感じたことを信じるということ。

まだ馴染みの少ない伝統的な韓国菓子を伝えたくて


余韵さんがいま興味あることは、伝統的な韓国のお菓子です。

韓国には “薬食同源” という言葉があり、病気になってから慌てて薬で治すのではなく、普段から体にいいものを食べて病気を予防するという考え。

焼き菓子以外の可能性を探っていたタイミングで出会った韓国菓子。西洋菓子に比べて、日本ではまだ馴染みの少ない作り方ですが、マクロビオティックと近い考え方など、共鳴することばかりと前のめりに話してくれた余韵さん。

「”こんないいものがこの世界にはあるんだ” という感動を伝えたいんです。今後は焼き菓子だけではなく、韓国のお菓子もより伝えていきたいと、ワクワクしています」。

余韵さんが先生をつとめた2021年10月に開催された『学びの場 第3回目』。その時の想いを綴った内容は “楽学” よりご覧頂けます。

余韵 (よいん)
佐賀県を拠点に、植物性菓子を作るかたわら、伝統的な韓国菓子作りや、野草好きが高じて和の葉の餅をひろめる活動をしている。
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今回の対話を終えて「 “こうじゃなきゃいけない” という縛りをひとつずつとっていくことが大事」と話す余韵さん。それは無意識に積み重ねた思い込みや常識なのかもしれません。「なんでも自分でやってみて、初めてわかることがありますよね」。その姿勢は気負うことなく、なんだかとても軽やかにみえ、そう話す明るい笑顔が何よりの充実感を物語っています。

聞き手・文 : 小野 義明

[ 学びの場 概要 ]

学びの場 第3回目
柿を愉しむお菓子作り
 
日程
2021年10月10日(日) – 10月11日(月)