うつしき

対 話 - くろさわじゅんこ -

ひとは思った以上に「自分自身」のことがよくわかっていない。

……というのは言い過ぎかもしれませんが、自分が持っている特性や潜在意識をちゃんと活かして生きているのだろうか。

「手相は、一度きりの人生をいかに自分らしく生きていけるかの術を教えてくれます」

そう話すのは全国各地を旅しながら手相鑑定を行っているくろさわじゅんこさん。

「ジャックナイフじゅんこ」と称されていたOL時代の葛藤や経験を積んで出会ったのは、自分にあった生き方を見つけるひたむきな姿でした。

いい手相があっても才能をいかさなければただのシワ

「手相占いをはじめて、長所を短所だと思ってる人が多いんだなと気付かされます。

潜在意識とは違う苦手な所で頑張ろうとするから悶々としてしまう日々を過ごすことになります。

その状態はもったいないと手相鑑定をして思うのです」

長所と短所は表裏一体。長所を伸ばすことは苦手なことを克服するよりずっと才能を活かす可能性を秘めています。

「いい手相があっても才能を開花しなかったらただのシワ」と話すじゅんこさん。

「たとえば、手相鑑定中に『忘れっぽいので、メモを取ってもいいですか』と聞く人がいます。

覚えるのが下手という人は、鋭い感覚を持っている人が多いです。

真面目にメモを取って、言われたことを完璧にやらなきゃ、とすると自分の感性が全く動かないから、輝きがなくなってしまうんです。

苦手な分野なのに伸ばそうとするから、自信をなくしてしまう状況に陥ります」

にこやかな表情を浮かべ、優しい口調で話すじゅんこさん。

だが、穏やかな印象と裏腹に『潜在意識を活かさないのはもったいない』と話すのは、これまで歩んできた人生の中で葛藤や経験を経ているからです。

自分を守ることで精一杯だったOL時代


手相鑑定を始める前は、22年間OLとして勤務していたじゅんこさん。

周囲の人たちに対して刺々しく振る舞っていたと振り返ります。

「当時は自分を守ることで精一杯でした。繊細な部分が心の中にあって、プレパラートのガラスのように、踏み入れられるとすぐに割れてしまう。

だからそこを守るために、自分から遠ざけるみたいにバリアをはっていましたね」

そこから時が経ち、東日本大震災時にボランティアで現場を訪れたことがきっかけに、自分の人生と改めて向き合い、興味を抱いていた手相について学び始めます。

“なんでいままで自分が持っている可能性に蓋をして過ごしてきたのだろう”

手相を通して、自分が望む生き方を歩みだしたじゅんこさん。

仕事を辞め、手相占い師として全国各地を巡ります。

手相から広がる未来


うつしきでは11月に2年ぶりのパームリーディングを開催。

「手相なんてどうせ当たらない」「非科学的だ」など、手相に懐疑的な見解を持つ人もいると思います。

手相も指紋と同じで誰一人として同じものはありません。それは人生と同じ。

手相はその名の通り手のひらを観てその人の人生を鑑定していくもの。

「占いはいつも何か『きっかけ』になるもの。

これが良い悪いではなくて、占いを通じて知ったことを、自分自身がどう選択していくか。

そうした一つひとつの選択が人生を切り開いていくのだと信じています」

今回の対話を終えて生きていると楽しい出来事や落ち込んだりする場面に遭遇することが多々あります。

大切なことは自分の声に正直に生きることで、手相はその術を知るためのもの。

じゅんこさんはこれからも軽やかに旅をしながら、手のひらから一人一人の大切な個性を導きだし、素敵な未来への後押しをしてくれるのだろう。

次回開催されるパームリーディング会も、皆さん愉しみにしていてくださいね。
聞き手・文 : 小野 義明